[所在地]鳥取県日野郡日南町新屋

 明治38年から採掘が始まったとされ,平成7年まで稼行しその後閉山した鉱山である。クロムを採掘した鉱山である。鳥取県,島根県,岡山県,広島県の県境付近には多くのクロム鉱床があり,その中でもこの鉱山は大きな鉱床であった。この鉱山の近くに広瀬鉱山というクロムを採掘した鉱山があり,この広瀬鉱山とと もに一時は国内のクロムのほとんどを出鉱したことがある。出鉱されたクロムのほとんどは耐火材原料に使われた。正マグマ鉱床である。この鉱山は若松川を上ったところにあり途中に若松滝という滝がある。平成16年に行った時には道が梅雨の降雨か台風により崩落したようで,この滝の手前から通行止になっていて鉱山には行けなかったが現在は補修されて通行できるようになっている。しかし,最近鉱山の入口部分が大雨によりかなり広範囲に大きくえぐりとられ大きなすり鉢状になっており鉱山上部に行くのはかなり危険な状況となった。ズリが各所に見られ,鉱山の施設跡も所々に残っており,かなり大規模に採掘された様子がうかがわれる。ズリには蛇紋岩が多く見られその中にクロム苦土鉱(クロム鉄鉱の鉄をマグネシウムで置き換えたもの)の塊状鉱や斑状鉱(斑状になったもの)が多く見られた。ただクロム苦土鉱と思われるもの中にはクロム鉄鉱やスピネルが緻密に入り交じっているものも多く,場合によってはクロム鉄鉱,スピネルとなる標本もあると思われる。また方解石,苦灰石,ブルース石,緑簾石,珪ニッケル鉱やその他白色鉱物も見られた。白色鉱物については数種類あり今後分析を行い分かり次第公表していく予定である。ちなみにこの鉱山に行く道の途中にもクロム苦土鉱の塊がいたる所に転がっていた。

 最近,いただいた情報によると「多里まちづくり推進協議会」のホームページに立入禁止の情報が掲載されていたため,情報をいただいた人の日南町への確認によると,途中の滝の所に柵が設置され,鉱山施設の老朽化の理由により立入禁止になったとのことである。