[所在地]広島県尾道市原田町梶山田
地質調査所発行の「広島県地下資源調査報告」によれば露頭の発見は大正15年と言われており,昭和8年に開発が始まり昭和24年前半は稼行していたが,後半に出鉱量がゼロになっていることからこの頃採掘を止めたものと思われる。昭和12〜14年が最も盛んに稼行していた。珪石を採掘していた鉱山である。黒雲母花崗岩中のペグマタイト鉱床である。近くに温泉があり放射能泉である。鉱山には3か所の採掘場跡があったようで,それぞれ1号山,2号山,3号山の名前がついている。最も大きな鉱床は1号山であったようで最後まで稼行していた。いずれも石英,長石及び黒雲母が主に見られる。ズリの構成は長石55%,石英35%,花崗岩10%となっていて長石が多かったようだ。1号山は量的にはかなり少ないが黒雲母に伴い褐簾石,ジルコンなどの放射能鉱物を産出している。前出の資料によればフェルグソン石も産出したようだ。他には鉄カンラン石が産出している。ただし基本的には立入禁止となっている。2号山は近くの里山の沢にあり砂防ダムの上方に位置している。ズリが砂防ダムの上流側と下流側にある。付近の様子から露天掘りと思われる。磁鉄鉱,鉄カンラン石,角閃石様鉱物などが見られる。3号山は少し離れた所にあり坑内掘りで大きな坑口が残っている。磁鉄鉱が見られる。
1号山は基本的には立入禁止になっている。3号山も地主さんの家の前を通っていく必要があるため必ず許可をもらって立ち入り,坑口の前にある石を積んで作った取水設備や配管(鉱山道にも這わしている)などの設備に絶対に危害を加えないこと。また不在の場合は絶対に立ち入らないこと。 |