[所在地]山口県萩市大字佐々並
発見,稼行の詳細は不明であり,資料もほとんど見られない。唯一地図上に位置が示された資料が見られるが,詳細な位置までは示されていない。付近に人家はないが,少し離れたところに住んでいる方に聞き取りを行ったところ,70〜80年前には稼行中または稼行中止直後だったようで,鉱石が積み上げられていたとのことだった。鉱山名は鉱山がある場所の地名に因むものと思われる。採掘対象の詳細は不明であるが,銅がほとんど見られず,亜鉛,鉛が多く見られることから,亜鉛,鉛を採掘した鉱山と思われる。山口市,萩市,美祢市にまたがる鳳翩山を中心とした地域にはいくつかの鉱山が点在しているが,多くの鉱山は中生層角閃石黒雲母花崗閃緑岩中の中〜高温の熱水鉱脈鉱床である。ただ,この鉱山は異質で,熱水作用を受けた鉱床と思われるが,一部に正マグマ鉱床のような部分があり,蛇紋石や斑レイ岩のような苦鉄質岩も見られる。鉱山は東鳳翩山の北側に位置し,県道から堰堤方向に延びる林道は,かつて鉱山道だったようで,運搬時に転がり落ちたと思われる閃亜鉛鉱が見られた。県道から斜面を降りて川を渡った方がアプローチし易い。鉱山にはズリが残っており,閃亜鉛鉱,硫カドミウム鉱,方鉛鉱,菱亜鉛鉱,水亜鉛土,白鉛鉱,方解石,硫酸鉛鉱,緑鉛鉱,異極鉱,滑石などの鉱物が見られる。ズリの一部にわずかながら見られる斑レイ岩様岩には,紅砒ニッケル鉱,ケティヒ石,ニッケル華,苦土華が見られることがある。また,この鉱山から東鳳翩山山頂方向の山中には苦土電気石が見られる。
現地は山深く,熊の生息地域内であり,近くに渓流もあることから鈴などの鳴り物は必携である。また早朝や夕方などの時間帯や秋などの熊の出没頻度が高い時間,時期及び単独行動は避けたほうが良さそうだ。 |