[所在地]山口県岩国市美和町秋掛

 地質調査所が平成元年に発行した5万分の1地質図幅「津田地域の地質」に、昭和6年に発見され、その後小規模に露天掘りが行われたとわずかに記載が見られる。他の資料はほとんど見られない。石綿(アスベスト)を採掘した鉱山である。古生層超苦鉄質岩類中の鉱床である。現地は羅漢山の登山道の1つの途中にある。登山道は一部滑りやすい部分はあるが、登山という程ではなく、現地に辿り着くのはそれ程難しくない。登山道を登っていくと登山道の上斜面、下斜面にズリが見られ、ズリの中を登山道が通っている。登山道を登っていくと両側に一見してズリと分かる場所に出るので、鉱山跡ということが分かる。年末近くに調査を行ったが、冬期の特に年末から2月にかけてはこの付近は積雪が多くなることから訪れるのは難しくなる。また12月初めや3月でも冬型の気圧配置になると積雪でズリが見えなくなることから適期とは言えない。ズリはある程度の広がりがある。ズリ中には透閃石、葡萄石、滑石、クリソタイルが見られる。金属鉱物や二次鉱物は調査時には見られなかった。葡萄石は白い皮膜状に見え、一見して葡萄石との同定は難しい。滑石は白色や薄緑色の美しいものではなく、淡い黄色や黄色味を帯びる薄緑色が基本となっているが、不純物を含み灰色、茶色になっている部分が多い。ただ手にするとすべすべした触感、硬度1と非常に柔らかいことから同定し易い。石綿(アスベスト)は蛇紋石系、角閃石系のどちらも見られる。蛇紋石系はクリソタイル、角閃石系は透閃石となっている。先の資料に温石綿と記載されていることから主にクリソタイルを採掘したものと考えられる。石綿(アスベスト)は有害なので注意すること。