[理想化学式] CaTiO
 カルシウムとチタンの酸化鉱物である。黒色,鉄鋼色,こげ茶色,明るい茶色のものがほとんどで希にオレンジ色,赤茶色のものがある。金属光沢,亜金属光沢あるいはダイヤモンド光沢を示す。直方晶系である。結晶は六面体のものが多いが,槍状になったものも見られる。硬度は5.5,比重は4.0〜4.3とされている。ロシアの鉱物学者で有名な採集家でもあったアレクセイビッチ・ペロブスキー氏に敬意を表したドイツの鉱物学者のグスタフ・ローゼ氏により名付けられたそうだ。海外ではドイツ,イタリア,ロシア,アメリカなど世界各国で見られ,南極でも確認されている。日本の鉱山では岩手県の釜石鉱山,赤金鉱山,鉱山以外では広島県の久代,愛媛県の弓削島などで発見されている。日本での産地を見て分かるとおり,高温スカルン鉱床以外にも見られるが,高温スカルン鉱床に特有な鉱物であるように思える。布賀では露頭に見られる。この標本は顕微鏡レベルで分かりづらいが,数mm単位で母岩上に結晶がパラパラと付いているようなものも見られる。拡大写真では母岩の色が灰黒色の部分に散点的に含まれている。残念ながら結晶の形がはっきりしている部分は少ない。灰黒色の金属光沢を示し金属鉱物かと思ったが,産状から灰チタン石であると同定していた。採集後長らく放置していたが,最近EDS分析を行った結果,カルシウムとチタンがほぼ1:1で検出され灰チタン石であることが確認された。ただ微量のバリウムも含まれているようだ。Barioperovskiteというミクロ単位の鉱物がアメリカで10年ほど前に発見されている。日本名ではバリウムチタン石といったところである。非常に微量のためこの鉱物が含まれているのか,単にカルシウムの一部がバリウムに置き換わっているのか不明である。

                                                
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