[理想化学式] Ca(Zr,Ti)Si
 カルシウムとジルコン,チタンの珪酸塩鉱物である。こげ茶色,淡い茶色,薄黄色,ベージュ色ものなどがある。ガラス光沢を示す。単斜晶系である。結晶ははっきりしたものは少なく,わずかに柱状が確認できるものや塊状のものが多い。しばしば灰チタン石を伴うことがある。ミネラライトを照射すると黄色の蛍光を発する。硬度は6とされているが,比重をはっきり記載しているものは見当たらないが,3.5としているものもある。模式標本はイラク北東部でイラン国境近くにある山中から発見されたものだそうだ。イラクの首都バグダッドが名前の由来になっている。海外ではイラク,ドイツ,ポーランド,ロシアなど数か国でのみ発見されているに過ぎず希産鉱物である。日本では他に赤金鉱山で発見されている。日本での産地を見て分かるとおり,高温スカルン鉱床に特有な鉱物であるように思える。模式標本地のイラクでも灰チタン石,クスピディン,ゾノトラ石,フォシャグ石など高温スカルン鉱床に特有な鉱物とともに見られる。布賀では露頭に見られる。拡大写真ではわずかに灰色,薄緑色の母岩の中央から右側に寄ったところに灰色を帯びる茶色の点のような部分が本鉱である。大きさは1〜2mm程度である。顕微鏡写真では塊状のこげ茶色を成していることが確認できる。採集後長らく放置していたが,この標本もミネラライトを照射すると薄黄色の蛍光を発することからバグダッド石と同定していた。最近EDS分析を行った結果,カルシウム,ジルコン,チタン,珪素が検出された。構成元素比率(At%)は珪素がやや多いなどばらつきがあるが特徴的な元素であるジルコンを著量含んでいることからバグダッド石であることが確認された。ジルコンとチタンの比率は13:1〜14:1で圧倒的にジルコンが多くなっている。

                                                
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