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[理想化学式] Fe4Be3(SiO4)3S 鉄,ベリリウム、硫黄の珪酸塩鉱物である。珪酸塩鉱物としては珍しく硫黄を含んでいる。色は茶色のものがほとんどだが,黄土色,赤紫色,紫色のものも見られる。半透明または不透明である。ガラス光沢または脂肪光沢を示す。等軸晶系である。結晶は八面体結晶または十二面体結晶を成しているものが多く見られる。ヘルビンのマンガンを鉄に置き換えたものに相当し,ヘルビン,亜鉛ヘルビンなどとともにヘルビングループを形成している。一般的に硬度は5.5〜6,比重は3.3〜3.5とされている。共生鉱物は産状によって異なりスカルンでは磁鉄鉱,灰鉄ザクロ石、蛍石など,錫を多く含むペグマタイトでは曹長石,錫石,黄鉄鉱,白雲母などとなっている。アメリカの鉱物学者で地質学者でもあるジェームズ・ドワイト・デーナ氏に敬意を表して名付けられた。アメリカのマサチューセッツ州のエセックス郡のロックポートのものが模式標本とされている。比較的珍しい鉱物で花崗岩,花崗岩ペグマタイト,接触変成スカルン,片麻岩中に見られる。日本の産地,錫を多く含むペグマタイトなどから錫の含有が産出に関わる場合もある可能性がある。海外ではイギリス,スウェーデン,アメリカ,オーストラリアなどで見られる。日本の産地は今のところ鉱山ではこの広島県の三原鉱山,同じく広島県の平子鉱山,山口県の藤ケ谷鉱山くらいである。鉱山以外では京都府亀岡市広野くらいである。三原鉱山のデーナ石は角閃石に富む花崗岩中に茶色の塊状もしくは数mmの八面体結晶で見られる。拡大写真では茶色の部分が本鉱である。顕微鏡写真では結晶は確認できなかった。三原鉱山ではこうしたデーナ石が含まれる角閃石に富む花崗岩中にフェナス石が共生している場合がある。ただフェナス石は最大2mm以下の微小のものが多く蛍石などの他の透明な鉱物との同定が難しい。 MENUページに戻る 前のページに戻る |