[理想化学式] Fe2+Sb5+
 鉄とアンチモンの酸化鉱物である。色は褐色〜オレンジ色であるが,中には黄色,薄緑色,灰黒色を示すものも見られる。脂肪光沢または土状光沢を示す。正方晶系である。結晶は針状または粒状で,針状結晶が密集しているものが多く見られる。他には微結晶が集合して粒状,球状になったりする場合もある。硬度は6〜6.5,比重は5.8とされている。アンチモン鉱床の酸化帯に産出する場合が多いが,実際に見られることはかなり少ない。この鉱物が発見されたブラジルのミナスジェライス州にあるトリプヒー鉱山が名前の由来だそうだ。海外ではアルジェリア,ドイツ,イタリア,アメリカなどで見られる。日本では大分県の向野鉱山などで見られる。正和鉱山では母岩の表面や窪みなどに薄茶色あるいは黄土色の微細な針状結晶の集合を成して見られた。同定は過去に行ったX線回折分析によるもので結果は石英の混入が見られたものの鉄黄安華のデータとほぼ一致していた。この鉱山では輝安鉱,メタ輝安鉱,黄安華,バレンチン石,石英などと共生していることが多い。拡大写真ではやや左側中央や中央部の黄土色部分が本鉱である。その他全体的に散在している黄白色〜黄色の鉱物も本鉱の可能性が高いように思われる。顕微鏡写真では微小ながらも結晶が確認でき,ある程度肉眼的な広がりを持つものも産出するようだ。なお,この鉱山は現在ではきのこの栽培地になっており立ち入ることができなくなっている。




                                                
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