[理想化学式] PbCuBiS
 鉛と銅とビスマスの硫化鉱物である。色は明るい灰鋼色で金属光沢を示す。直方晶系(斜方晶系)である。結晶は長柱状,板状になることがあるが塊状のものも多い。縦方向に条線があり,確認できると同定が簡単であるが,なかなか肉眼で確認できるようなものは産出しない。鉛と銅とビスマスの硫化鉱物は色々な種類があり肉眼鑑定は容易ではない。中温〜高温の熱水鉱脈鉱床に産出する。自然蒼鉛,黄銅鉱,輝蒼鉛鉱,アイキン鉱などと共生することが多い。硬度は3.5〜4,比重は7.0とされている。模式標本の産地であるチェコのウースチー州にあるクルプカが名前の由来だそうだ。海外ではオーストリア,チェコなどで見られる。日本では岐阜県の平瀬鉱山,山口県の佐々並鉱山などで産出が確認されている。佐々並鉱山のクルプカ鉱は暗い灰色の花崗閃緑岩中に産出することがほとんどである。拡大写真では所々に鋼灰色の金属光沢を放っている。顕微鏡写真では似た色の花崗閃緑岩上にあるため見分けがつきにくいが,下部に点在する鋼灰色の鉱物が本鉱で,右上の明るい鋼色の劈開のある鉱物は自然蒼鉛である。この鉱石には自然蒼鉛が見られ,その他輝蒼鉛鉱様鉱物なども見られる。コサラ鉱,カニツァロ鉱,アイキン鉱など一般的に鉛,銅,ビスマスのすべてまたは一部で構成される硫化鉱物は鑑定が難しい。以前はアイキン鉱と同定していたが,再度EDS分析を行った結果,鉛,銅,ビスマスが検出され,数か所検討を行ったがいずれも鉛とビスマスの比率がほぼ1:3になっていたためクルプカ鉱と修正した。今回新たにEDS分析結果とSEM像を追加した。EDS分析を行った結果は別添のファイルとおりでアイキン鉱よりもクルプカ鉱と同定する方が適正と考えた。

                                                
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