[理想化学式] (Au,Ag)
 エレクトラムとは金と銀の合金のことであり,鉱物としては含銀自然金ということになる。色は金色であるが,金の含有量の高いエレクトラムほど黄色味が強く,金の含有量が低くなるにつれて黄色味が弱くなる。一般的に鉱山などで採掘されている自然金と呼ばれているものはエレクトラムであり,金100%のものはほとんどない。一般的に金銀鉱山で見られる鉱石は石英中の鉱脈に産出するものが多い。日笠鉱山のものは石英中に見られるものは今のところ確認していない。全部の鉱脈を調べたわけではないので詳細は不明だが,観察した鉱脈の金鉱石は拡大写真のとおり石英,緑簾石,緑泥石が緻密に混ざりあったものであったり,これらの鉱物が互いに縞状の筋を成しているものが多い。こうした母岩中に黄銅鉱,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,黄鉄鉱などの金属鉱物が密集した部分が見られ,こうした部分にエレクトラムが含まれているのが一般的なようだ。顕微鏡写真では金属鉱物が密集する部分を撮影したものであり,金色部分は黄銅鉱または黄鉄鉱と思われる。エレクトラムは0.1mm程度が一般的と思われ,ルーペでは黄銅鉱や黄鉄鉱との区別は難しい。SEM像のところに反射電子像(BSE)を掲載しているが,反射電子像は原子番号が大きいほど明るく白く輝き,小さくなるに従って暗く灰色から黒色になって観察される。従って原子番号の大きい鉛,金,銀を含む方鉛鉱,エレクトラムなどが白く輝いて観察され,灰色のものは銅,鉄を含む黄銅鉱,黄鉄鉱などである。これだけでは方鉛鉱,エレクトラムの同定はできないため,白く輝く8か所の部分について簡易分析したところ5か所がエレクトラムまたは含金自然銀であった。分析したか所は001のものであり,銀の含有量が明らかに多いが著量の金を含んでいることが確認できる。

                                                
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