[理想化学式] CaMn(CO
 カルシウム,マンガンの炭酸塩鉱物である。色はほとんどが白色,淡いピンク色,ピンク色であるが,濃いピンク色のものは珍しい。また,希に藁黄色,黄土色のものも見られる。半透明〜不透明である。 亜ガラス光沢,油脂光沢あるいは土状光沢を示す。三方晶系である。結晶は針状結晶あるいは柱状結晶が集合し,一方が束ねられカリフラワー,ソフトクリームのコーンのようになったものも見られるが,塊状のものが多い。苦灰石のグループでマグネシウムの代わりにマンガンが入ったものがクトナホラ石,鉄が入ったものがアンケル石となる。菱マンガン鉱,霰石,方解石などと共生していることがある。硬度は3.5〜4,比重は3.1とされている。チェコの化学者であるアントニン・ブコフスキー氏により,模式標本の産地であるチェコの中央ボヘミア州のクトナー・ホラ市に因んで名付けられた。海外ではイタリア,南アフリカ,ペルー,オーストラリアなど世界各国で見られ産地は多い。日本では北海道の上国鉱山,長野県の竜島鉱山,大分県の豊栄鉱山などで産出が確認されている。その他のいくつかの鉱山でも産出が確認されている。島根県の豊稼鉱山ではズリの一部に希に見られる。拡大写真では右側のわずかにピンク色を帯びた白色の部分が本鉱である。周りは菱マンガン鉱に囲まれている。結晶は見られず塊状となっている。顕微鏡写真は菱マンガン鉱との境の部分を撮影したものだが,白色の部分が本鉱で,淡いピンク色の部分が菱マンガン鉱である。X線回折分析では菱マンガン鉱と本鉱のピークが似通っているが,高角のものが本鉱,低角のものが菱マンガン鉱である。菱マンガン鉱が混入しているが,高角のものはピークがよく一致している。EDS分析ではカルシウム,マンガンが主として検出され,若干のマグネシウムも検出された。概ねカルシウムとマンガン+マグネシウムの構成元素比率(At%)がおおむね1:1になっているため,本鉱と同定した。

                                                
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