[理想化学式] Zn(AsO)(OH)
 亜鉛の砒酸塩鉱物である。色は白色,クリーム色,黄色,緑色,紫色など色々なものがあり,ガラス光沢を示す。一般的に結晶は柱状結晶の集合体になっていることが多い。斜方晶系である。硬度は3.5である。アダム石は紫外線により発光することが多いが,銅を含むいわゆる銅アダム石は発光しないと言われている。この鉱物を最初に発見したフランスの鉱物学者ジルベール・ジョセフ・アダム氏が名前の由来だそうだ。鉱物的にはオリーブ銅鉱と同じグループに属する。オリーブ銅鉱の銅が亜鉛に置き換わったものがアダム石であり,銅と亜鉛の成分は組成上連続し中間的なものもある。日本では他に宮崎県の見立鉱山,岡山県の扇平鉱山など所々に産出する。喜多平鉱山では露天掘り跡が埋められてしまった今ではほぼ絶産で少量産するのみである。褐鉄鉱上に結晶が集合しており,柱状結晶が脈状になっている。顕微鏡写真は上から撮影したものであるが断面は霜柱のように連なっている。結晶の各々ではほぼ透明であるように見えるが,全体的にはややくすんだ半透明の薄い緑色をしている。EDSによる分析では別添結果のとおり亜鉛と砒素が検出された。半定量分析であるため数値は正確であると言い難いが亜鉛+銅と砒素の構成元素比率(At%)はだいたい2:1になっている(金・パラジウム蒸着による)。この標本はごくわずかであるが銅を含んでいるため例外なく紫外線による発光はしない。



                                                
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