[理想化学式] (Zn,Al)(Si,Al)(OH)
 亜鉛,アルミニウムの珪酸塩鉱物である。色は白色〜薄水色のものが多い。半透明または不透明である。ガラス光沢,真珠光沢または土状光沢を示す。単斜晶系である。結晶は海外では六角板状または花びら状のものが見られる。アンチゴライト,カリオピライトと近い種類でカオリン−蛇紋石グループに属している。一般的に硬度は2.5とされている。ベルギーの自然科学者または古生物学者であるジュリアン・ジーン・ジョセフ・フライポント氏に敬意を表した同じくベルギーの鉱物学者であるジュゼッペ・レイモンド・ピオチェザーロ氏により名付けられたそうだ。海外ではイタリア,ギリシア,アメリカ,チリなどで見られるが,アメリカでの産出が多い。日本の産地は今のところこの喜多平鉱山のみであり2017年に発見された。日本での正式名称はフライポン石となっているが,名前の由来は先にも述べたとおりフライポント氏に因むものであるからフライポント石としている。喜多平鉱山のフライポント石は薄水色をしたもののみを確認しているが,白色のものが産出するかどうか今のところ不明である。塊状のものが多い。ただ全く同じように薄水色に見える石が多く産出し,その多くはほとんど亜鉛を含んでいない。カオリンと思われ,外見上全く区別のつかないものが多く見られる。また花びら状の白色鉱物も産出し,フライポント石と考えたが分析の結果,水亜鉛土であることが判明した。このように肉眼鑑定は難しく,同定は分析に頼るしかなさそうだ。拡大写真では所々に見られる薄水色の部分が本鉱である。顕微鏡写真では房状または粒状のものが集合しているのが観察される。SEM像では結晶のはっきりしたものは観察できない。EDS分析の結果は著量の亜鉛を含んでおり,X線回折分析ではフライポント石の回折値を示していることからフライポント石と同定している。

                                                
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