［理想化学式］　Ｃｕ２（ＡｓＯ４）（ＯＨ） 　銅の砒酸塩鉱物である。色はオリーブ色が多くその他白色やくすんだ緑色のものもある。ガラス光沢や絹糸光沢または土状光沢を示す。結晶は半透明で将棋の駒状，葉片状，柱状，毛状など結晶を成しているものが多いが時に繊維状のものも見られるようだ。単斜晶系である。母岩の表面や割れ目に生成される場合が多い。結晶が微細であるため硬度や比重を測ることは難しいが，硬度は３で比重は４．５とされている。銅を主成分とするが，銅と亜鉛が置換する場合があり亜鉛が多くなればアダム石となり化学組成上連続し，中間のものは銅アダム石と呼ばれる。また砒素と燐が置換する場合があり，燐が多くなれば燐銅鉱となる。砒素を含む鉱床に二次的にできる場合が多い。色がオリーブ色であることが名前の由来だそうだ。海外ではアメリカ，イギリス，フランス，オーストラリアなど各国で見られる。日本でも所々で見られ山口県の喜多平鉱山，宮崎県の嘉納鉱山などが有名である。鉱山以外では広島県の瀬戸田が有名な産地である。中国地方では他にも岡山県の小泉鉱山，日吉鉱山など所々で見られる。赤坂鉱山ではズリの表面に希に産出する。赤坂鉱山では主に鉛と鉄の砒酸塩鉱物が多くみられるが，かなり希にオリーブ銅鉱，パルノー石，葉銅鉱などの銅の砒酸塩鉱物が見られる。拡大写真では薄黄色の皮膜状のものが本鉱である。顕微鏡写真も皮膜状になっている。しかし，Ｘ線回折分析ではオリーブ銅鉱またはアダム石の回折値を示した。オリーブ銅鉱とは微妙にずれており，アダム石に近かったためアダム石と考えたが，ＥＤＳ分析を行ったところ銅と砒素以外は検出されず亜鉛は全く検出されなかった。これらの結果によりオリーブ銅鉱と同定した。赤坂鉱山では同様の黄色被膜鉱物が多く産出し，こうしたものは肉眼での同定は難しい。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＭＥＮＵページに戻る　　　前のページに戻る