[理想化学式] TiO
 チタンの酸化鉱物で,色は褐色,黄褐色,赤褐色,藍色,黒色,灰鋼色,青味を帯びた灰色のものと様々なものがある。結晶は八面体が延びて先端を欠いたような形をしているようなものが多い。ダイアモンド光沢または金属光沢を示す。大きなものでは条線を確認することができる。正方晶系である。硬度は5.5〜6,比重は3.8〜4.0とされている。金紅石,板チタン石とは同質異像の関係である。金紅石,板チタン石とともに産出することもある。通常は他のチタン含有鉱物に由来する二次的なものとして産出する。火成岩,変成岩,ペグマタイト,日本では聞き慣れないカーボナタイトに含まれる砕屑性鉱物である。フランスのオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏,イゼール県,グルノーブル市,サン・クリストフ=アン=オワザン地区のものが模式標本となっている。日本名では鋭い錐状の形をした鉱物から名付けられた。一方英名は,ギリシア語の伸長を意味する「アナタシス」が名前の由来だそうだ。これは、多くの正方晶系鉱物に比べて,底面に対する錐体の長さが長いことを意味している。海外ではイギリス,イタリア,ノルウェー,ブラジルなど世界各国で産出し産地は多い。日本での産地は,山梨県の乙女鉱山,大分県の尾平鉱山,鹿児島県の錫山鉱山などで見られるが微小のものが多い。鉱山以外では山梨県の竹森や京都府の行者山などでも見られる。阿川鉱山では火成岩中の石英脈中に微細な結晶として見られる。金紅石,板チタン石も見られるが,金紅石は陶石化した石英に見られることが多く,板チタン石は蝋石化した石英中に見られることが多い。山口県北部には蝋石鉱山が多く見られ,蝋石鉱山には金紅石が見られる鉱山がいくつかあり,さらにこうした鉱山で発見される可能性がある。拡大写真では薄いピンク色を帯びた石英の表面に灰黒色の結晶が点々と見られる。顕微鏡写真では青味を帯びた灰鋼色の結晶が確認できる。

                                                
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