[理想化学式] Ca(Cu,Zn)(SO(OH)・3H
 カルシウム,銅,亜鉛の硫酸塩鉱物である。色は水色,青色,くすんだ青色のものがほとんどで,ガラス光沢または絹糸光沢を示す。結晶は針状結晶,細い板状結晶,毛状結晶がほとんどで,これらの結晶が集合して放射状になったものが多い。単斜晶系である。化学組成的にはデビル石と似通っている。デビル石はごくわずかな亜鉛を含むことはあるが,サーピエリ石は一定量の亜鉛を含んでいる。このためデビル石との肉眼での同定は難しい。また青色味の強いものは青針銅鉱,炭酸青針銅鉱との区別が難しい場合がある。ただ一般的には色合い,結晶の形態から区別できる場合が多い。厳密には直方晶系(斜方晶系)である斜方サーピエリ石という種類の鉱物があり,結晶が小さい場合は区別が大変難しい。イタリアの採掘起業家でギリシャの鉱山開発者であるジョヴァンニ・バッティスタ・サーピエリ氏に敬意を表したフランスの鉱物学者であるアルフレッド・ルイ・オリヴィエ・ルグラン・デクロワゾー氏により名付けられたそうだ。フランス,ドイツ,ギリシャ,アメリカなど世界各国で見られる。日本では静岡県の河津鉱山,兵庫県の樺坂鉱山,広島県の平子鉱山などで見られる。中国地方では岡山県に産地が多く橡ノ木鉱山,伊田鉱山,小泉鉱山,扇平鉱山,日吉鉱山などでも見られる。銅鉱床の酸化帯に産出することが多い。金掘鉱山ではズリ中に所々見られ,肉眼でも結晶が確認できるものがある。拡大写真では水色の部分が本鉱である。顕微鏡写真は水色の濃い部分を拡大したものであり針状結晶が放射状に集合しているのが確認できる。橡ノ木鉱山は金掘鉱山の近くにあり鉱床的に似通っているためか,同様のものがズリ中に所々見られる。EDS分析ではカルシウム,銅,一定量の亜鉛,硫黄が検出されたためサーピエリ石と同定した。

                                                
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