[理想化学式] Fe3+(MoO・7−8H
 鉄とモリブデンの酸化鉱物で,色はほとんどが黄色系で,黄色,レモン黄色,薄黄色,帯緑黄色である。結晶は針状,毛状のものが多いが粒状のものもある。ただ皮膜状のものが多い。世界的に見ても大きな単結晶で産する例はほとんどない。絹糸光沢,ダイアモンド光沢,土状光沢を示す。直方晶系(斜方晶系)である。硬度は1〜2,比重は3.0とされている。輝水鉛鉱,黄鉄鉱,黄銅鉱と共生することがしばしばある。ロシアのアジア中央部にあるハカス共和国のアレクセーエフスキー鉱山のものが模式標本となっている。日本名では鉄とモリブデンから名付けられており,英名も組成である鉄とモリブデンから名付けられている。海外ではドイツ,チェコ,アメリカ,オーストラリアなど多くの国で産出し,南極でも確認されている。ただし,南アフリカを除くアフリカ各国,ブラジルでの産出は確認されていない。日本での産地は,岩手県の大川目鉱山,岐阜県の平瀬鉱山などで見られる。鉱山以外では福岡県の立花寺などで見られる。中国地方では島根県の清久鉱山,東山鉱山などのモリブデン鉱山が密集した地域でしばしば見られる。付近の他のモリブデン鉱山でも産する可能性は高い。小馬木鉱山もモリブデンを採掘した鉱山であるが,タングステンも多く産出した。ズリはほとんど片付けられているが道路のほとりにわずかに残されており,そのズリ中に輝水鉛鉱が見られ,一部に鉄水鉛華を伴っている。小馬木鉱山の輝水鉛鉱は花が開いたような独特の形や皮膜状をしており,その周りに黄色の皮膜状で生成している。面積的な広がりがあるものは見られない。拡大写真では輝水鉛鉱の周りに見られる黄色の鉱物が本鉱である。顕微鏡写真では放射状の花が開いたような結晶が確認できる。

                                                
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