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[理想化学式] Cu9(AsO4)2(SO4)(OH)10・7H2O 銅の砒酸塩鉱物であるが,硫酸基(SO4)も併せ持っている。色は緑色~淡い青色であるが通常の緑色,青色といった色ではない。ややくすんでいたり淡いものが多い。一般的に結晶は立体的なものは針状が集合して丸くなり球状,房状または粒状,平面的なものは放射状になっているものが多い。斜方晶系である。硬度は2である。アメリカの鉱物採集家のヨハン・L・パルノー氏が名前の由来だそうだ。日本での産地は静岡県の河津鉱山,山口県の大和鉱山,広島県の瀬戸田鉱山近くにある採土場などごくわずかしかない。赤坂鉱山のパルノー石はブロシャン銅鉱などの銅分の多い鉱石の表面に産出する。拡大写真では右側の下部あたりに見られるのだが分かりにくい。実物を見ると2mm程度と小さいにもかかわらず独特の絹糸状光沢で目立ち肉眼でも分かりやすい。顕微鏡では青味を帯びた緑色の扇状結晶の集合体が観察できる。SEM像ではさらにその傾向が観察でき,板状の結晶が集合して扇状になっていることが分かる。EDSにより分析を行ったところ,銅,砒素,硫黄で主に構成されていることが判明し,その他副成分として鉄,ニッケル,燐などを含んでいることが判明した。燐は砒素の一部を置換しているものと思われる。主成分と扇状の結晶からパルノー石と同定した。赤坂鉱山では主に鉛と鉄の砒酸塩鉱物が多くみられるが,かなり希にオリーブ銅鉱,パルノー石,葉銅鉱などの銅の砒酸塩鉱物が見られる。 MENUページに戻る 前のページに戻る |