［理想化学式］　Ｃｕ４Ａｌ２（ＳＯ４，ＣＯ３）（ＯＨ）１２・２Ｈ２Ｏ 　　銅とアルミニウムの硫酸塩鉱物である。硫酸基（ＳＯ４）の一部が炭酸基（ＣＯ３）に置き換わる場合もある。色は青色〜水色のものが多い。青色もくすんだものから濃い青色までと幅も広い。名前のとおり針状のものが多く，集合して丸くなり，いが栗状，平面的なものは放射状になっているものもある。立体的なものは植物では青いアザミのようにも見え、水生生物では青いウニのように見えるものもある。他には針状結晶が集合して繊維状になっているものもある。絹糸状光沢を示す。直方晶系（斜方晶系）である。硬度は１〜３，比重は２．８とされている。他の青色の二次鉱物の青鉛鉱，藍銅鉱とは結晶形態や独特の質感や色が現れている場合は肉眼により同定できることもあるが同定が難しいこともある。ただ青鉛鉱は塩酸で白濁し，藍銅鉱は激しく発泡しながら溶けていくので塩酸テストを行えば同定は容易い。炭酸青針銅鉱とは硫酸基が多いか炭酸基が多いかの違いであり同定は困難である。ギリシア語の青色と針を意味する言葉が名前の由来だそうだ。海外ではフランス，オーストリア，ギリシア，アメリカなど世界各国で見られる。日本では秋田県の荒川鉱山，新潟県の三川鉱山など産地はあまり多くはない。銅ヶ丸鉱山の青針銅鉱は広大なズリの一部分にブロシャン銅鉱，炭酸青針銅鉱，銅アルミナ石などとともに産出する。銅ヶ丸鉱山では青鉛鉱，藍銅鉱も産出するが産出する母岩に違いは見られない。銅ヶ丸鉱山の青針銅鉱は明るい青色またはくすんだ青色を示す。微細であるがウニのように見えるもの，繊維状に見えるものもある。拡大写真では右に広がる青色部分が本鉱である。顕微鏡写真ではわずかながら針状結晶が集合しているのが確認できる。なお，銅ヶ丸鉱山への立ち入りは地主さんの許可が必要であり無断立入禁止となっている。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＭＥＮＵページに戻る　　　前のページに戻る