[理想化学式] Al(OH)
 アルミニウムの水酸化鉱物である。酸化鉱物の項目に分類しているが,正確には水酸化鉱物に分類される。色は白色,ベージュ色,薄黄色,薄茶色のものが多いが,薄水色,水色,透明のものもある。光沢はガラス光沢,亜ガラス光沢,真珠光沢,土状光沢である。硬度は3,比重は2.4とされている。ギブス石,ベーム石,ダイアスポアなどからなるボーキサイトを構成する主要鉱物である。なお,ボーキサイトは岩石の一種でアルミニウムの原料となっている。アメリカのマサチューセッツ州バークシャー郡リッチモンド産のものが模式標本となっている。アメリカの地質学者,鉱物学者で鉱物収集家でもあるジョージ・ギブス氏に敬意を表した同じくアメリカの植物学者であり,化学,鉱物学についても学んだジョン・トーリー氏により名付けられた。海外では世界各国に産出し,南極大陸からも産出が確認されている。日本では岡山県備前市三石,香川県坂出市金山など各地で産出が確認されている。喜多平鉱山では浜の宮鉱床のズリの転石中に見られたり,土中に埋まっている。この標本でまず目を引いたのは黒色の房状鉱物であり,金属を含むマンガン鉱物と考えた。薄水色の部分はカオリンなどの粘土鉱物と考えていた。黒色部分の成分分析を行ったところマンガンと少量の亜鉛を検出した。しかしX線回折分析ではギブス石のピークと一致していた。マンガンにより黒色に着色したギブス石であり,あらためて標本を精査したところ薄水色の部分は小さな房が集合して1つの房を形成し集合していたことから,この部分のX線回折分析を行ったところ他鉱物の混入はあるもののギブス石のピークと一致していた。海外産のギブス石の写真には薄水色〜水色の房状のものが見られよく似ている。なお,この標本の茶色の基盤はX線回折分析を行ったところ針鉄鉱であることが判明した。

                                                
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