[理想化学式] CaCu(AsO(AsOOH)(OH)・3H
 カルシウムと銅の砒酸塩鉱物である。色は若草色,青味がかった緑色,くすんだ緑色または薄い水色であるが,緑色のものは通常の緑色といった色ではない。絹糸光沢を示す。一般的に結晶は針状結晶が放射状に集合しているものが多い。羽毛状の結晶が集合しているものもある。また,結晶が集合して房状,球状になったものも見られる。ミクサ石やアガード石はミクサ石グループを構成しているが,ミクサ石グループはこうした結晶を成しているか皮膜状のものがほとんどである。六方晶系である。硬度は2〜3,比重は3.5とされている。以前はアガード石−Caとされていたものが,現在ではザレシ石として整理されている。模式標本の産地であるチェコのモラヴィア地方のザレシのウラン鉱床が名前の由来だそうだ。海外ではフランス,ドイツ,スペイン,アメリカなどで産出する。日本での産地は今のところ岡山県の布賀鉱山,山口県の大和鉱山のみで確認されており比較的希な鉱物である。喜多平鉱山では露天掘り跡から山の中に入った浜の宮鉱床で見られる。浜の宮鉱床では銅や亜鉛の砒酸塩鉱物が見られる露頭付近の斜面に見られる。斜面の表面に見られることもあるが,多くは斜面の地中に埋まっている、掘っていくと何の変哲もない茶色い芋状の褐鉄鉱が出てくる。割ると中にコニカルコ石やザレシ石が見られる場合がある。拡大写真では中央付近に散点的に見られる青味がかった緑色の鉱物が本鉱であり,ルーペで観察すると放射状になっているのが確認できる。顕微鏡写真では板状にも見えるが,SEM像では針状の集合体であることが確認できる。EDSにより分析を行ったところ,著量のイットリウムが検出されたがカルシウム>イットリウムとなっていることとカルシウム+イットリウムと銅と砒素の構成元素比率(At%)がだいたい1:6:3に近いことからザレシ石と同定した。

                                                
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