[理想化学式] PbBi
 鉛とビスマスの硫化鉱物である。色は鉛銀色〜鋼銀色をしているが黒鋼色のものも一部に見られる。直方晶系である。結晶は針状,板状で結晶が集合したものが多い。塊状のものもある。鉛とビスマスの硫化鉱物は色々な種類があり,さらにこうした鉱物と共生することも多いため肉眼鑑定は容易ではない。他のビスマスの鉱物である輝蒼鉛鉱,コサラ鉱などに比べて輝きが鈍いような気はするが確定的なものではない。中温〜高温の熱水鉱脈鉱床などに産出する。硬度は2〜3,比重は7.0〜7.2とされている。アメリカのコロラド州のレッドビルのプリンターボーイ・ヒルにあるリリアン鉱山が名前の由来だそうだ。海外では中国,オーストリア,スウェーデン,アメリカなどで見られる。日本では山形県の大張鉱山,福島県の八茎鉱山,岐阜県の神岡鉱山などで産出が確認されているが,産地はそれ程多くない。関金鉱山では一部の鉱床のズリに見られた。このズリは黄銅鉱,磁鉄鉱が多くみられ一部に拡大写真のような鉱石が見られた。拡大写真では右側の鉛銀色に輝いている部分が本鉱である。顕微鏡写真では特に結晶は見られず塊状になっている。どちらかというと鉛色に近い銀色をしており,発見当時は方鉛鉱か輝水鉛鉱かと考えていたが,どちらも違っているような感じもした。鉱物の先生に見ていただいたところビスマスを含んでいるような感じがするとの意見をいただいたことから定性分析を行ったところ鉛,ビスマス,硫黄を検出した。定性分析だけでは鉱物種の同定は十分ではないことから,さらにXRD分析を行いリリアン鉱とほぼピークが一致したことからリリアン鉱と同定した。ただ関金鉱山のリリアン鉱を産出する鉱床を少し前に訪ねたところ立入禁止となっていたため現在は観察,採集はできない。

                                                
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