[理想化学式] (K,Ca)AlSi12・6H
 カリウムとアルミニウムの珪酸塩鉱物である。一部カルシウム,ナトリウムなどの元素を含むことが多い。色は無色または白色が一般的であるが,希に黄色,薄茶色のものもある。ガラス光沢を示す。一般的には菱面体結晶,多角形結晶が集合しているものが多い。三方晶系である。硬度は4〜5,比重は2.1である。ギリシア語の霰(あられ)が名前の由来だそうだ。正式にはカルシウム,カリウム,マグネシウム,ナトリウム,ストロンチウムのうち最も多いものを最後に付けて記すことになっており,それぞれ別種となる。最もよく見られるのは菱沸石−Caである。菱沸石−Mg,菱沸石−Srはかなり希である。沸石の中では100℃くらいまでの割合低温で生成されるようで同様の温度で生成されるソーダ沸石,トムソン沸石などともに見られる場合が多い。海外ではイタリア,ドイツ,チェコなどで見られるが,ヨーロッパを除いて産地は少ない。日本では公式に産出したとされる記録はないが,数か所で産出しているのではないかと考えられている。鳥取県,島根県,岡山県,広島県の県境付近には多くのクロム鉱山跡があり,それらクロム鉱床に伴う斑レイ岩には沸石類が見られる。広瀬鉱山でも斑レイ岩の表面や割れ目などに生成されている場合がある。拡大写真では斑レイ岩の表面に見られる皮膜状の白色鉱物が本鉱である。所々チカチカしており微小結晶の集合体であることが確認できる。顕微鏡写真では少し分かりづらいが透明の菱面体結晶になっている。SEM像では明らかに結晶が確認できる。結晶の大きさは大きくても0.1〜0.2mmくらいである。ルーペ,顕微鏡などで菱面体結晶が確認できれば菱沸石との同定は可能である。菱沸石−Caと菱沸石−Kは晶系が異なっているので,今後はX線回折分析を行い格子定数を計算し同定しようと考えている。
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