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[理想化学式] Ag3Pb2Sb3S8 銀,鉛,アンチモンの硫化鉱物である。色は黒鋼色〜灰鋼色で金属光沢を示す。単斜晶系である。結晶は柱状,板状のものが多く見られるが,柱状や針状結晶が組み合わさって産する場合も見られる。結晶は先端が丸みを帯びて尖っているものが多く,条線が見られるものも多い。銀,アンチモンを含む低温から中温の熱水鉱脈鉱床に産出するものと思われる。共生鉱物は方鉛鉱,閃亜鉛鉱,ミアジル鉱,黄鉄鉱,菱鉄鉱,石英,苦灰石である。ルーマニアのマラムレシュ県のヘルヤ鉱山では,輝安鉱,ベルチェ鉱,毛鉱,ベナビデス鉱,アンドル鉱,フィゼリー鉱など豊稼鉱山と同様の鉱物の名が見られる。硬度は2.5〜3,比重は6.0とされている。同じ元素で構成されるフライエスレーベン鉱と異なっているという意味のギリシア語が名前の由来となっている。銀,鉛,アンチモンを含んでいる硫化鉱物の肉眼鑑定は非常に難しい。海外ではドイツ,イタリア,チェコ,カナダなどで産出が確認されており,アジア,ヨーロッパ,南北アメリカなど産出報告は比較的多い。ただ,アフリカではモーリタニアでのみ産出が報告されている。日本では北海道の豊羽鉱山での産出報告がある。豊稼鉱山はスカルン鉱床であるが熱水鉱床と考えられる部分も見られ,こうした熱水鉱床部分にアンチモン,鉄,マンガン,銀,鉛,砒素,硫黄などの元素のうちのいくつかが組み合わさった鉱物が見られる。マンガン鉱床としては稲倉石型と考えられている。豊稼鉱山ではズリ中に見られる。拡大写真では分かりづらいが中央やや右側にある部分が本鉱である。該当部分を数か所,EDS分析を行った結果,銀,鉛,アンチモン,マンガン,硫黄が検出され,銀と鉛とアンチモンと硫黄の構成元素比率(At%)がどの部分も概ね3:2:3:8に近い値を示した。SEM像では一部に条線が確認できる。 MENUページに戻る 前のページに戻る |