[理想化学式] MnTiO
 マンガンとチタンの酸化鉱物で,マンガンの部分が鉄と置き換わることがあり,鉄が多くなるとチタン鉄鉱となる。マンガンと鉄は組成上連続する。色は茶色〜黒色の半透明〜不透明のものが多く,希に赤茶色,オレンジ色,灰緑色のものも見られる。一般的に結晶は六角板状のものがしばしば見られる。厚みのあるものもあったり,板状のものが重なり合っているようなものも見られる。ただ大きな塊となっているようなものはあまり目にすることがなく,小さな結晶が散点的に見られたり,単独で付いていることが多い。三方晶系である。硬度は5〜6で比重は4.5となっている。主に珪酸分が多い変成マンガン鉱床に見られる場合が多い。鉱物名はギリシア語の火と赤色を表す言葉から名付けられた。スウェーデンのヴェルムランド県のフィーリップスタード市のハースティゲン鉱山のものが模式標本となっている。海外での産出報告は多く,ドイツ,スウェーデン,アメリカ,カナダなど世界各国で見られる。日本では岩手県の野田玉川鉱山,愛知県の田口鉱山,鳥取県の水谷鉱山などあちらこちらで産出が確認されている。山口県でも旧周東町(現在の岩国市周東町)周辺のあちらこちらのマンガン鉱山で見られるようだ。高森鉱山はいくつかの鉱床があり,その中の堤鉱床で見られる。ズリの母岩の表面に赤味を帯びる黒色の板状結晶として見られる。拡大写真は微細なため分かりづらいが,中央やや左上にわずかに輝いて見える部分が本鉱で,顕微鏡写真では赤味を帯びた黒色の板状結晶が確認できる。EDS分析の結果は添付していないが,理想化学式どおりマンガンとチタンで構成されていることが確認された。

                                                
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