[理想化学式] Mn4+
 マンガンの酸化鉱物で,結晶では黒色または暗灰鋼色で金属光沢を示し,塊状では黒色の土状光沢を示すことが多い。結晶は針状または柱状の集合したものが多くまれに直方体や泡状のものも見られる。正方晶系である。硬度は2〜6で比重は5.0〜5.1とされている。金紅石,錫石,パラテルル石などとともに金紅石のグループに属している。日本名では軟らかいマンガン鉱物の意味から軟マンガン鉱と呼ばれているが,硬度が比較的高いものもある。黒色の二酸化マンガン鉱物は種類が多く同定が難しいが,結晶の形が現れていれば同定はし易い。二酸化マンガン鉱物の中では比較的一般的な鉱物であり塊状,皮膜状のものが多くみられる。マンガン鉱床の二酸化マンガン鉱が多く生成された鉱床あるいはマンガン鉱物が酸化することにより産出する。水マンガン鉱,ホーランド鉱,ハウスマン鉱,ブラウン鉱,針鉄鉱などと共生することが多い。ガラスの作成時に茶色と緑色の色調を取り除くために使用されたことからギリシア語で「火」と「洗浄」が名前の由来だそうだ。日本では,各地のマンガン鉱床や金属鉱床,露頭のマンガン密集部に産出し,塊状または皮膜状のものが多い。岡山県の名草鉱山では近くにある林道の露頭に見られる。拡大写真では暗い灰鋼色のチカチカした部分が本鉱である。周辺の黒色部分も本鉱と思われる。この露頭では他の二酸化マンガン鉱物である轟石も見られるが,同じ母岩に付いているものはほとんど見られず,それぞれ異なった箇所から産出するものと思われる。顕微鏡写真では柱状,針状の結晶が集合していることが観察できる。ルーペでも倍率は落ちるものの結晶が確認できる。XRD分析(X線回折分析)を行ったところ,一部に石英の混入が見られるもののパイロルース鉱のピークとほぼ一致している。

                                                
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