[理想化学式] (Fe,Mg)Al(PO(OH)
 鉄とアルミニウムの燐酸塩鉱物である。色は藍青色,藍色,くすんだ青色で基本的には青色系である。一見黒っぽいものも見られるがよく観察すると基本は青色となっている。半透明で単斜晶系である。基本的には粒状結晶でコロッとした感じのものが多い。亜ガラス光沢,樹脂光沢を示す。硬度は6で比重は3.3とされている。鉄をマグネシウムで置換したものは天藍石となるが,どちらも見かけはよく似ていて肉眼での同定は難しい。燐灰石,トロール石,白雲母,石英と共生することがある。ブラジルの鉱物学者であるエバリスト・ピエナ・スコルツァ氏に敬意を表したアメリカの地質学者であるウィリアム・トーマス・ペコラ氏及び同じくアメリカの化学者で鉱物学者でもあるジョセフ・ジョン・フェイヒー氏により名付けられたそうだ。海外ではポルトガル,アメリカ,ボリビア,オーストラリアなどで,特にアメリカでの産出例が多く報告されている。日本では日の丸奈古鉱山の他には茨城県の雪入,岐阜県の田原などで産出するが産出例は少ない。日の丸奈古鉱山では様々な燐酸塩鉱物が見られるが,燐礬土石と並んでよく見られるのがこの鉄天藍石−天藍石である。燐礬土石は目立ちにくいが,鉄天藍石−天藍石は青色が目立つ。ただこの産地のものは鉄天藍石と思われているようだが,実際には天藍石も産出するため肉眼ではどちらの鉱物なのかほとんど同定不能である。参考になるかどうか疑問だが鉄天藍石−天藍石のどちらかと思われる鉱物を8個分析したところ,鉄天藍石6個,天藍石2個で鉄天藍石の方が多かった。拡大写真では左やや下の藍色の部分が本鉱である。顕微鏡写真ではくすんだ藍色の結晶が確認できる。EDS分析の結果は添付していないが,Fe>Mgとなっていたことから鉄天藍石であることが確認できた。

                                                
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