[理想化学式] PbFe3+(Si)O
 鉛と鉄の珪酸塩鉱物である。色は黒色,黒灰色,黒味を帯びた緑色,黄土色などである。金属光沢,亜金属光沢,脂肪光沢または土状光沢を示す。一般的に球状のものが多いが,皮膜状のものも見られる。まれに八面体のような結晶,バラの花状の結晶を示すものも見られる。直方晶系である。硬度は6.5とやや硬く,比重は5.7〜6.3と幅がある。共生鉱物は産出する鉱床によって異なるようで,ナミビアのツメブ鉱床では,自然鉛,磁鉄鉱,ザクロ石,レッドヒル石,アラモス石に伴われ,アメリカの鉱床ではアラモス石,シャタック石,ミメット鉱,モリブデン鉛鉱,白鉛鉱に伴われる。ギリシア語の黒いと溶けるという意味で,溶けた黒いガラス玉に因んでいる。海外ではイタリア,スウェーデン,ナミビア,アメリカなどで見られるが,他にも日本を含め全部で10か国くらいしか産出報告がなく比較的珍しい鉱物である。今のところ中国,ロシア,南アメリカ大陸,オーストラリアでは産出報告が見られない。日本では群馬県沼田市数坂で産出が確認されている。大倉鉱山ではズリ中に希に見られる。黄土色〜山吹色皮膜状で写真のような特定の母岩上に生成している。大倉鉱山では同じズリにビーバー石−Cu,コーク石,ビューダン石,モットラム石など黄色被膜状で産する鉱物が見られるが,このうちビーバー石−Cu,コーク石,ビューダン石は黄色味が強く,モットラム石は花崗岩の表面に生成し,くすんだ黄土色をしている。一方,メラノテック石のほとんどは,はっきりした黄土色〜山吹色をしており,似た色をした鉱物が多い中でも比較的見分けがつき易い。XRD分析では,石英の混入が見られるもののメラノテック石のピークとほぼ一致している。また,EDS分析では鉛,鉄,珪素が主に検出され近い割合となっている。以上の結果からメラノテック石と考えてほぼ間違いないようだ。
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