[理想化学式] Cu(PO(OH)
 銅の燐酸塩鉱物である。色は緑色,青緑色,深緑色などである。半透明または不透明である。単斜晶系であり房状を成すものが多いが板状のものも存在する。孔雀石とは構造的には全く別の鉱物である。銅の砒酸塩鉱物であるコーンウォール石の砒酸塩を燐酸塩で置き換えたものが擬孔雀石でありよく似ている。色の違いはあてにならないが,コーンウォール石の緑は深緑色または鮮緑色で擬孔雀石の緑は冷緑色または青緑色と微妙に違っているような感じを受ける。ただし海外では孔雀石やコーンウォール石と見分けのつかないものも見られる。一般的に小さい結晶のものが多く硬度や比重を測ることは難しいが,硬度は4〜4.5で比重は4.0とされている。孔雀石と似ているが全く偽り物であるということが名前の由来である。ポルトガル,スロバキア,チリなど世界の所々で見られる。日本では京都府の船岡鉱山,山口県の大和鉱山,福岡県福岡市博多区など所々で見られる。大田鉱山の擬孔雀石は鉱山区域内の転石に生成されていた。本来は15cmくらいの母岩であったが,割っていくと所々に写真のとおり部分的に密集して生成していた。色は写真のものは鮮やかな明るい緑色だが,箇所によっては深緑色のものも見られた。採集時は他の鉱物の産出状況と深緑色を呈している部分もあることからコーンウォール石と考えたが,分析の結果は擬孔雀石だった。拡大写真では母岩の下の方の微小な緑色の部分が本鉱である。なお,擬孔雀石とともに見られる皮膜状の薄い水色の鉱物は珪孔雀石である。顕微鏡写真ではよりはっきりと球状結晶が観察できる。EDS分析の結果で燐と砒素を比較するとほとんど燐で構成されており,砒素はごく微量しか含まれていなかった。端成分に近い擬孔雀石であると言える。
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