[理想化学式] FeAsO・2H
 鉄の砒酸塩鉱物である。熱した時にねぎのような臭いがすることから葱臭石とも言われる。色は無色,くすんだ青緑色,冷めた青色,帯灰青色,紫色,灰色,黒色のものがほとんどだが,白色,黄色,褐色,赤褐色またはピンク色を示す場合がある。透明または半透明である。亜ダイアモンド光沢,ガラス光沢または樹脂光沢を示す。直方晶系である。結晶は多面的な粒状,微細な結晶が集合して房状になったものまたは皮膜状のものが多い。硬度は3.5〜4で比重は3.3とされている。熱せられた際の臭いがにニンニクに似ていることからギリシア語のニンニクを意味するスコロディオウが名前の由来だそうだ。硫砒鉄鉱などの含砒素鉱物の酸化帯に見られ,含砒素鉱物が分解して生成される場合がある。共生鉱物は毒鉄鉱,ビューダン石,洋紅石などである。世界各国で見られ,イギリス,ドイツ,ナミビア,メキシコでは立派な結晶が見られる場合がある。日本では大分県の木浦鉱山で立派な結晶のものが見られ,図鑑には標本として掲載されているケースが多く見られる。他にも岐阜県の一柳鉱山,京都府の大谷鉱山,宮崎県の嘉納鉱山などでも見られる。中国地方でも岡山県の三吉鉱山,広島県の赤坂鉱山,山口県の大和鉱山,喜多平鉱山,志津木鉱山などで皮膜状,微細な結晶の集合したものが見られる。このうち赤坂鉱山では硫砒鉄鉱が分解しつつあり,一部にスコロド石が生成しかけているようなものも見られた。鉱物の中では目にすることが多く比較的一般的な鉱物である。かつては瀬戸田鉱山近くにある砒酸塩鉱物を多く産する採土場に写真のようなものや黄色の皮膜状のもの見られたが,今では立入禁止になり見ることはできない。拡大写真では中央の暗い窪みにあるため分からないが,顕微鏡写真では帯灰青色の房状結晶が確認できる。房の表面が針状になっていることから微細な結晶が集合しているものと思われる。

                                                
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