[理想化学式] (Mg,Fe)Al(PO(OH)
 マグネシウムとアルミニウムの燐酸塩鉱物である。色は藍青色,藍色,くすんだ青色で基本的には青色系である。一見黒っぽいものも見られるがよく観察すると基本は青色となっている。半透明で単斜晶系である。基本的には粒状結晶でコロッとした感じのものが多い。亜ガラス光沢,樹脂光沢を示す。硬度は5.5〜6で比重は3.1〜3.2とされている。マグネシウムを鉄で置換したものは鉄天藍石となるが,どちらも見かけはよく似ていて肉眼での同定は難しい。共生鉱物は変質作用を受けた鉱床では石英,紅柱石,金紅石,コランダム,葉蝋石などで,ペグマタイト鉱床では曹長石,石英,白雲母,電気石,緑柱石などである。ドイツの化学者であり鉱物学者でもあるマルティン・ハインリヒ・クラプロート氏がアラビア語で天の色を意味する言葉から名付けられた。海外ではイタリア,オーストリア,アメリカ,カナダなどで,特にカナダでは結晶の見栄えのするものをしばしば見かける。日本では日の丸奈古鉱山の他には栃木県の那須蝋石鉱山で産出が確認されている程度で産出例は極めて少ない。日の丸奈古鉱山では様々な燐酸塩鉱物が見られるが,燐礬土石と並んでよく見られるのがこの鉄天藍石−天藍石である。燐礬土石は目立ちにくいが,鉄天藍石−天藍石は青色が目立つ。ただこの産地のものは鉄天藍石と思われているようだが,実際には天藍石も産出するため肉眼ではどちらの鉱物なのかほとんど同定不能である。参考になるかどうか疑問だが鉄天藍石−天藍石のどちらかと思われる鉱物を8個分析したところ,鉄天藍石6個,天藍石2個で鉄天藍石の方が多かった。拡大写真では左やや上の藍色の部分が本鉱である。顕微鏡写真ではくすんだ藍色の結晶が確認できる。EDS分析の結果では,Mg>Feとなっていたことから天藍石と同定した。

                                                
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