[理想化学式] CaZn(AsO)(OH)
 カルシウムと亜鉛の砒酸塩鉱物である。色は緑色,黄色または無色であるが,緑色,黄色のものは薄い色合いのものが多く,半透明,透明のものがほとんどである。亜ガラス光沢,脂肪光沢または絹糸光沢を示す。一般的に結晶は柱状結晶,粒状結晶を成している。これらの結晶は集合しているものが多く,柱状結晶のものは先がとがっているものが多く見られる。オースティン石はアデル石−デクロワゾー石グループに属しており,Caの部分をA,Znの部分をB,Asの部分をCとするとAは鉛に,Bは銅,鉄,マグネシウムなどに,Cはバナジウムに置換されることがありそれぞれ別種となる。直方晶系である。硬度は4〜4.5,比重は4.1とされている。アメリカの鉱物学者であるオースティン・フリント・ロジャーズ氏に敬意を表し名付けられたそうだ。海外ではドイツ,モロッコ,アメリカ,メキシコなどで産出する。日本の産地は今のところこの喜多平鉱山のみであり2016年に発見された。喜多平鉱山では露天掘り跡から山の中に入った浜の宮鉱床で見られる。浜の宮鉱床では銅や亜鉛の砒酸塩鉱物が見られる石灰岩の露頭がある。この露頭の表面付近に産出した。ただ現在この露頭は倒れかかっており,叩いたり触れたりするとまたは不意に倒れて下敷きになる可能性があるため決して近づいてはならない。オースティン石とともに付近にはコニカルコ石,オリーブ亜鉛銅鉱が見られる。コニカルコ石はオースティン石の亜鉛が銅に置換したものに該当し,同じアデル石−デクロワゾー石グループに属している。同じような産状で緑色が強いもののほとんどはコニカルコ石だった。拡大写真では薄い緑色部分が本鉱である。母岩は石灰岩になっている。EDS分析の結果からカルシウム>亜鉛>銅の順になっており,亜鉛の一部が銅に置換されているものと考えられる。
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