[理想化学式] Co(AsO・8H
 コバルトの砒酸塩鉱物である。色はピンク色のものが通常だが,赤色に近いものや紫色,ワインレッドのものもあり半透明である。単斜晶系である。結晶は日本では房状,粒状または皮膜状のものがほとんどだが海外では板状になっているものや針状結晶が集合していて色も美しく見栄えがするものも多くある。房状,粒状のものは割ると中は針状または板状結晶が放射状になっているものが多い。一般的に硬度は1.5〜2.5で比重は3.1とされている。そもそもはギリシア語の風疹を意味する言葉からフランスの鉱物学者で地質学者のフランソワ・シュルピス・ビューダン氏により名付けられたそうだ。イギリス,スペイン,モロッコ,オーストラリアなど世界の所々で見られるが,モロッコ産のものは美しいものが多いことで有名である。日本の産地はだいたい2つに分けられ1つは山口県の長登鉱山,和歌山県の大勝鉱山などコバルトを産する鉱山,もう1つは愛知県の田口鉱山などマンガン鉱山などで見られる。コバルトを産する鉱山では輝コバルト鉱や含コバルト硫砒鉄鉱などが分解して生成するようだ。山口県には長登鉱山,薬王寺鉱山,佐々並鉱山,金ヶ峠鉱山などコバルト華を産出する金属鉱山がいくつかある。この報国鉱山はマンガンを産出する鉱山であり先の鉱山とは異なっている。報国鉱山のコバルト華は母岩の表面に皮膜状に産出する。鉱物の採集仲間が最初に発見したが発見当時は色がピンク色のためバラ輝石,菱マンガン鉱かと考えたが皮膜状のものは見たことがないため同定は困難を極めた。EDS分析の結果ではコバルトが含有されているのを確認できた。コバルトの部分がいくらかマンガンが置換しているものと考えられ別鉱物の可能性もなきにしもあらずだが,ピンク色が濃いためコバルト華と同定している。

                                                
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