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[理想化学式] CaCu6(AsO4)2(AsO3OH)(OH)6・3H2O カルシウムと銅の砒酸塩鉱物である。色は若草色,青味がかった緑色,くすんだ緑色または薄い水色であるが,緑色のものは通常の緑色といった色ではない。絹糸光沢を示す。一般的に結晶は針状結晶が放射状に集合しているものが多い。羽毛状の結晶が集合しているものもある。また,結晶が集合して房状,球状になったものも見られる。ミクサ石やアガード石はミクサ石グループを構成しているが,ミクサ石グループはこうした結晶を成しているか皮膜状のものがほとんどである。六方晶系である。硬度は2~3,比重は3.5とされている。以前はアガード石-Caとされていたものが,現在ではザレシ石として整理されている。模式標本の産地であるチェコのモラヴィア地方のザレシのウラン鉱床が名前の由来だそうだ。海外ではフランス,ドイツ,スペイン,アメリカなどで産出する。日本での正式な産地は今のところ岡山県の布賀鉱山と山口県の大和鉱山のみとなっており比較的希な鉱物である。同じ山口県の喜多平鉱山でも非公式ながら見られる。大和鉱山のザレシ石は2010年にフィリップスバーグ石とともに発見された。砒酸塩鉱物を産出するズリで見られる。砒酸塩鉱物を産出するズリには同じミクサ石グループであるミクサ石やザレシ石も産出するため同定は難しいが,ミクサ石は青味を帯びた緑色をアガード石-Yはくすんだ緑色をザレシ石は若草色をしている傾向があるように思われる。ただ中には写真のようにアガード石-Yと区別できないような色合いのものも見られる。拡大写真では左側のくすんだ緑色の部分が本鉱であり,顕微鏡写真では針状結晶の集合体になっているのが確認できる。SEM像では針状結晶または毛状結晶が顕著に確認できる。EDSにより分析を行ったところ,カルシウム>イットリウムとなっていること,銅,砒素で構成されていることからザレシ石と同定した。 MENUページに戻る 前のページに戻る |