[理想化学式] Zn(AsO・8H
 亜鉛の砒酸塩鉱物である。色は透明,白色,洋紅色,ピンク色,オレンジ色,青灰色,暗い灰色など様々な色のものがあり,半透明〜不透明である。樹枝光沢や絹糸光沢を示す。一般的に微細なものが多く,結晶は柱状結晶や柱状結晶が放射状になったもの,集合したもの,房状のものなどが多い。単斜晶系である。硬度は2.5〜3,比重は3.3とされている。藍鉄鉱,コバルト華,ニッケル華,苦土華などとともに藍鉄鉱グループを形成する。共生鉱物は砒藍鉄鉱,亜砒藍鉄鉱,アダム石,レグランド石,スコロド石,毒鉄鉱などとなっている。ドイツの化学者であるオットー・フリードリヒ・ケティヒ氏に敬意を表したアメリカの地質学者であり鉱物学者でもあるジェームズ・ドワイト・デーナ氏により名付けられたそうだ。海外ではドイツ,メキシコ,アメリカ,オーストラリアなどで見られる。日本では今のところ岡山県の扇平鉱山でしか見つかっていない希産鉱物である。日本で確認されているものは淡い青味を帯びた灰色のものが多い。大切谷鉱山はズリに黒色頁岩様岩が多く見られ,亜鉛や鉛鉱物が多く見られるが,一部に蛇紋岩や斑レイ岩などの苦鉄質岩が見られニッケル,マグネシウムなどの鉱物も見られるという少し変わった鉱山である。ズリ中の苦鉄質岩の表面に生成し,拡大写真では母岩上部の大小3つのエメラルドグリーンの放射状になっている部分が本鉱である。EDS分析の結果,亜鉛と砒素を主とし,一部がニッケルやマグネシウムに置換されている。構成元素からニッケルを含むアダム石とも考えられるが,結晶形態と似た形態で亜鉛を多く含むニッケル華が見られることから同型置換のケティヒ石の可能性が高そうだ。XRD分析は量が少ないので今のところ難しいが,今後行いたいと考えている。エメラルドグリーンを示すのはニッケルやマグネシウムによる発色のためと思われる。
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