[理想化学式] BiTe
 ビスマスとテルルの硫化鉱物である。ホセ鉱にはホセ鉱Aとホセ鉱Bがあり、ホセ鉱Aはテルルと硫黄が1:2となっており、ホセ鉱Bはテルルと硫黄が2:1となっている。ただ、ホセ鉱は生野鉱やピルゼン鉱などに分類され鉱物種として消滅する可能性もあるようだ。元々はホセ鉱Uと呼ばれていた。ホセ鉱Aはホセ鉱Tだが、X線回折分析結果に類似性がなく性質が不明確でよく分かっていない。結晶は光沢の強い銀鋼色光沢を示すことが多い。また結晶は薄板状のものが多く、まれに柱状結晶が集合したものも見られる。一般的に結晶は小さいものが多い。三方晶系である。硬度は2で比重は8.3とされており、ビスマスを成分としているため塊のものは重量感があると思われる。他のビスマス、テルルを含む鉱物とは外見的にあまり相違がないため肉眼での同定は難しい。一般的に石英中やスカルン中に生成することが多い。共生鉱物は自然蒼鉛、自然金、ホセ鉱A、輝蒼鉛鉱、生野鉱、ヘドレイ鉱、磁硫鉄鉱、硫砒鉄鉱、輝水鉛鉱などである。模式標本の産地であるブラジルのミナスジェライス州のマリアナのサン・ホセ鉱山が名前の由来だそうだ。海外では中国、オーストリア、チェコ、カナダなど各国で見られる。日本では山形県の大張鉱山、群馬県の萩平鉱山、島根県の都茂鉱山などで産出が確認されている。この三原鉱山でも産出は確認されており、石英中に見られるが、ホセ鉱Aや他のビスマス、テルル鉱物も見られることから同定は難しい。拡大写真では右上の金属光沢を示すものが本鉱である。EDS分析の結果、幅があるもののBi>Te>Sとなっていることから本鉱と考えられる。SEM像では劈開面が認められる。

                                                
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