[理想化学式] CaSi18(CO)・2H
 カルシウムの珪酸塩鉱物だが,炭酸基(CO3)も併せて持っている。色は通常,白色不透明,半透明〜無色透明が一般的だが,海外のものにはベージュ色や黄緑色のものもあるようだ。ガラス光沢,土状光沢を示す。塊状のものがほとんどだが,海外のものには微細な柱状結晶などが集合するものも見られる。単斜晶系である。硬度は4.5〜5で比重は2.7とされている。模式標本地である北アイルランドのアントリム州ラーンにあるスコート・ヒルに因んで名付けられた。石灰岩の接触変成作用によって形成される。共生鉱物はスパー石,トバモリー石,灰礬ザクロ石,方解石,バルトフォンティン石,フォシャグ石,ヒレブランド石などの高温スカルン特有の鉱物が多いが,海外では黄長石,トムソン沸石などの例も見られる。北アイルランド,ドイツ,イタリア,アメリカなどで見られるが,ロシア,カナダ,アフリカ大陸,南アメリカ大陸などでの産出は今のところ確認されておらず,産地は限られている。日本では岡山県の布賀,岡山県の三原鉱山などで産出が確認されているが,やはり産地が限られている。産地は久代鉱山としているが実際には鉱山近くの露頭に産出する。久代のスコート石はティレー石やローゼンハーン石に伴い真っ白な塊状で見られる。高温スカルン鉱物は白色の鉱物が多く,見分けがつかないものが多いが,スコート石については,真っ白の見かけから割合肉眼での同定は容易い。転石中の大きな母岩の一部が真っ白になっており,一見してスコート石ではないかと察知した。拡大写真のほとんどが本鉱で所々見られる金属鉱物はトロイリ鉱を疑ったが精密に分析を行ったところ磁硫鉄鉱だった。顕微鏡写真でも塊状で結晶は見られない。X線回折分析を行ったところ,スコート石のピークとやはり一致していたことからスコート石と同定した。

                                                
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