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[理想化学式] Mn2+Mn3+6(SiO4)O8 マンガンの珪酸塩鉱物である。色は茶色がかった黒色,黒色,灰鋼色で亜金属光沢を放つものが多い。マンガン鉱物は黒色のものが多く、見分けがつきにくいように思われるが、他の二酸化マンガン鉱の色とは異なる感じがし、初見でも同定可能のように思われる。結晶はコロッとしたものや擬八面体のものが見られる。正方晶系である。硬度は6〜6.5、比重は4.7〜4.8とされている。写真のものは塊状のブラウン鉱だが、手に持つとややずっしり感があり、塊状の磁鉄鉱や赤鉄鉱に近い感じがする。ブラウン鉱を記載するための原石を提供したドイツの地質学者であり鉱物学者でもあるヴィルヘルム・フォン・ブラウン氏に因んで名付けられた。海外ではドイツ、イタリア、スウェーデン、南アフリカなど世界各国で見られるが、アフリカ中部、南アメリカ大陸での産出報告は少ない傾向にある。日本では長野県の浜横川鉱山、愛媛県の古宮鉱山、長崎県の戸根鉱山を初めとしてあちらこちらのマンガン鉱山で産出報告がある。ただ中国地方の鉱山での産出報告は少なく、マンガン鉱山が比較的多く存在する鳥取県東部、山口県東部のマンガン鉱山では今まで見かけたことがない。大仙鉱山は九州大学教授理学博士である吉村豊文氏著「日本のマンガン鉱床」にブラウン鉱が部分的に含まれていると記載されている。大仙鉱山のズリ中に希に見られる。EDS分析を行ったところ一部カルシウムを含み、ほとんどがマンガンでわずかに珪素が検出された。EDS分析結果、光沢、質感などからブラウン鉱と同定した。XRD分析は堅そうに見え、実際堅く試料作成に難航しそうなため今のところ行っていない。顕微鏡写真、SEM像のどちらも結晶は確認できなかった。 MENUページに戻る 前のページに戻る |