[理想化学式] (Mn,Ca)Si
 マンガン,カルシウムの珪酸塩鉱物で珪灰石グループの仲間である。色は茶褐色,ベージュ色,茶色味を帯びたピンク色,薄ピンク色が多く,赤味の強いピンク色のものもある。亜ガラス光沢,油脂光沢を示す。三斜晶系である。結晶は長柱状,針状,繊維状結晶が集合したものが多く見られるが,コロッとした結晶のものもあるようだ。硬度は5.5〜6.5,比重は3.3〜3.4とされている。関東鉱物同好会発行の加藤昭氏著「鉱物読本 シリーズNo.2 マンガン鉱物読本」には産状で1つ目は接触変成層状マンガン鉱床中にバラ輝石,石英を伴い産出するとあり,2つ目には通常の石灰岩を原岩としたスカルン鉱床の1つとして産出するとの記載がある。その他浅い熱水鉱脈鉱床,広域変成層状マンガン鉱床にも産出するとの記載がある。元々はバラ輝石とヨハンセン輝石の混合物を新鉱物として付けられていたが,メキシコの鉱物学者であるミゲル・ブスタマンテ・イ・セプティエム氏に敬意を表して再使用して名付けられた。世界ではあちらこちらで産出が確認されているが,アフリカ大陸,南アメリカ大陸での産地は少ない。日本では埼玉県の秩父鉱山,静岡県の河津鉱山,福井県の藤井鉱山など比較的産地は多い。奈賀野鉱山ではズリ中の母岩に層状に生成している。マンガンを含むことからマンガン鉱床に産出するものと考えていたが通常の石灰岩のスカルン鉱床にも産出するようだ。拡大写真では層状となった薄いベージュ色の部分が本鉱である。裏側には二酸化マンガン鉱が見られる。見つけた当初は珪灰石が鉄に汚染されて薄茶色に変色したものと考えていたが,EDS分析を行った結果鉄分はほとんど含まれておらず,マンガンとカルシウムが1:1で検出された。奈賀野鉱山が石灰岩のスカルン鉱床であること,結晶形態,EDS分析の結果からバスタム石と同定した。

                                                
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