[理想化学式] CuFe3
 銅,鉄の硫化鉱物である。黄銅鉱,黄鉄鉱,磁硫鉄鉱,閃亜鉛鉱,ペントランド鉱などと共生する場合がある。色は黄銅色〜ブロンズ色であるが,やや白っぽい傾向があり金属光沢を示す。中程度の磁性がある。直方晶系である。結晶は日本では見られないが,柱状結晶,針状結晶で六方向に均衡または不均衡に成長したような結晶が見られる。硬度は3.5,比重は4.0〜4.2とされている。模式標本地であり発見地でもあるキューバに因んで名付けられた。模式標本地はキューバの南端に近いホルギン州,モア−バラコア地区のバラカナオである。産出は接触交代鉱床(スカルン鉱床),高温熱水鉱床などとされているが,接触交代鉱床での産出が多い印象を受ける。接触交代鉱床でもやや高温生成の鉱山での産出が多い。海外では世界各国で見られ,カナダのものは立派な結晶のものが見られる。一方,アジアではタイ,マレーシアなど,アフリカでは北アフリカ,銅の代表的な産出国であるコンゴ民主共和国,ザンビア,アンゴラなど,南アメリカではコロンビア,ベネズエラなどでの産出報告はない。日本では微細なものを含めると多くの産地がある。有名なところでは岩手県の赤金鉱山,京都府の河守鉱山,岡山県の三原鉱山などである。佐江崎鉱山も接触交代鉱床(スカルン鉱床)であり,ズリ中に黄銅鉱を伴って見られる。以前からキューバ鉱を産することが知られている。拡大写真では母岩中の中央やや下部に黄銅色の金属鉱物が見られるが,このうち下部の部分が本鉱である。上部は黄銅鉱である。写真では分かりづらいが,ルーペで観察すると黄銅鉱に比べやや白っぽかったことと磁性を帯びていたことからキューバ鉱を疑い,EDS分析を行ったところ銅と鉄と硫黄の構成元素比率(At%)がおおむね1:2:3になっていることからキューバ鉱と同定した。

                                                
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