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| [理想化学式] Ni3S2 ニッケルの硫化鉱物である。色は淡いブロンズ色、淡い黄鉄色または真鍮色をしている。三方晶系である。塊状のものが多く見られ、海外産のものでも結晶形をはっきり示すものはなかなか見られない。蛇紋岩中に黄鉄鉱のような金色をした鉱物が見られればニッケル鉱物との予想はつくが,針ニッケル鉱、ヒーズルウッド鉱,ペントランド鉱など黄鉄色を示す鉱物もあり、針状結晶が確認できれば針ニッケル鉱と同定可能だが、塊状の場合は同定が難しい。正マグマ鉱床,低温の熱水鉱脈鉱床に産出することが多く、玄武岩質貫入岩中の鉱物として産出する可能性もある。硬度は4、比重は5.8とされている。共生鉱物はペントランド鉱、黄銅鉱、ビオラル鉱、キューバ鉱、針ニッケル鉱、磁鉄鉱、クロム鉄鉱などである。模式標本地であるオーストラリアのタスマニア州ワラタ=ワイナードのヒーズルウッド地区が名前の由来である。名称については、分析を行ったアメリカの鉱物学者で地質学者でもあるジェームズ・ドワイト・デーナ氏により提唱された可能性があるとされている。海外ではロシア、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界各国で見られる。日本では愛知県の中宇利鉱山、同じく吉川鉱山、鳥取県の広瀬鉱山などで産出が確認されている。稲積鉱山ではズリの一部分の蛇紋岩、クリノクロア中に点々と含まれている。ペントランド鉱と共生しているものも多く見られ、同定が難しい。顕微鏡写真では黄鉄色をしているのが確認できる。超拡大写真ではやや左側中央の金属光沢の部分が本鉱である。EDS分析ではわずかに鉄を含み、ニッケルと硫黄の元素構成比率がほぼ3:2となっている。 MENUページに戻る 前のページに戻る |
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