[理想化学式] CaSnSiO
 カルシウムと錫の珪酸塩鉱物である。色は薄い茶色,ベージュ色などが一般的である。ガラス光沢を示す。一般的に微細なものが多く肉眼で確認できるような大きさや目立つものは少なく,また結晶を示すものもほとんどなく多くは塊状である。単斜晶系である。硬度は3.5〜4,比重は4.3とされている。最大の特徴は短波のミネラライトを照射すると薄い黄緑色の蛍光を発することである。くさび石のチタンを錫に置き換えたものに相当し,同じような構造を持っている。錫を多く含むスカルン鉱床で産出する。共生鉱物は錫石,石英,方解石,ザクロ石,珪灰石などである。東南アジアのマレー半島が名前の由来だそうだ。かつてマレーシアは世界有数の錫の産出国であり,現在でも多くの錫を産出している。資源的な意味はなく,標本的にはイギリス産のものが有名で他にもドイツ,ロシア,カナダなどで確認されている。日本では宮崎県の土呂久鉱山,大分県の新木浦鉱山,山口県の玖珂鉱山,島根県の都茂鉱山など多くは西日本の所々で産出する。神武鉱山では南側の赤畑ズリの手前に落ちている珪灰石中に緑灰色を成す灰鉄ザクロ石が点在する鉱石中に産出することが多い。拡大写真でもどこにあるかよく分からないが,こうした鉱石のあちこちに散在しており,ミネラライトを照射すると星を散りばめた夜空のように黄緑色に発光する。顕微鏡写真では中央のくすんだ薄茶色の部分が本鉱である。



                                                
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